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症状について

無月経

無月経とは、月経のない状態です。

●原発性無月経
満18歳になっても初経がない状態です。
原発性無月経の定義は満18歳ですが、15歳になっても初経がない場合(初経遅延)は、検査を受けることをお勧めします。
●続発性無月経
これまであった月経が3か月以上停止した状態です。
原因はさまざまですが、無月経のまま放置すると、女性ホルモンによって守られている骨密度が低下するなど、将来影響が出ることもあるため、受診して、検査・治療を受けることをお勧めします。

無月経

思春期早発症

乳房発育が7歳未満、陰毛発生が9歳未満、初経初来が10歳未満でみられた場合、早発思春期とされます。検査や治療は小児科で行うことが多いです。月経の量が多い場合などは、婦人科にもご相談ください。

生理不順

正常の月経周期(月経初日から次の月経開始前日まで)は25日~38日で、周期による変動が6日以内とされています。
この基準からずれた状態が生理不順です。
ストレスやダイエットなどで一過性に生理不順になることも多いですが、月経周期が長くなる場合は、多嚢胞性卵巣症候群などの排卵障害であったり、月経周期が短くなる場合は、子宮内膜ポリープや子宮体癌、子宮頸癌などからの出血であることもあります。
生理不順の場合は、出血のあった日や出血量(多め、少なめなど)を記録して、ご相談ください。

生理不順

過多月経・過長月経

月経の出血は通常3~7日持続し、月経量は1周期の合計で20~140mlが正常とされています。
出血量を調べるためにナプキンの重さを測ることは現実的ではないため、昼間でも夜用ナプキンが必要なほど出血が多い場合や、鉄欠乏性貧血がある場合、過多月経を疑います。
また、8日以上出血が続く場合は過長月経です。
過多月経・過長月経は、子宮筋腫や子宮腺筋症が原因であることが多いです。まれに血液凝固障害であることもあります。
生理の量が多くて困っている場合や、健康診断で貧血を指摘された場合は、ぜひご相談下さい。

過多月経・過長月経

生理痛

月経に伴う下腹部痛、腰痛、頭痛などがひどく、日常生活に支障をきたしている場合、月経困難症と診断されます。
子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などが原因となっている場合(器質性月経困難症)と、そうでない場合(機能性月経困難症)があります。
月経困難症に関しては、鎮痛剤や鎮痙剤、漢方、ホルモン治療など様々な治療法があります。
生理痛がひどい、徐々に悪化している、などの症状がある時はご相談下さい。

月経前症候群(PMS)

月経前症候群は、イライラ、抑うつ、乳房痛、頭痛、むくみなどの症状が、月経前3~10日の黄体期に出現し、月経開始とともに症状が改善することが特徴です。
適度な運動や規則正しい生活で症状が軽くなることもありますが、症状に応じて、漢方薬や、利尿薬、エストロゲン・プロゲスチン配合薬などで治療することもあります。ある時はご相談下さい。

不妊症とは

不妊とは、生殖年齢の男女が妊娠を希望し、「ある一定期間」避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠しない場合をいいます。
不妊のカップルが妊娠を希望し医学的治療を必要としている場合を不妊症といいます。ある一定期間とは日本では1年が一般的です。
この定義にこだわらず、妊娠したいのになかなかできない場合は早めにご相談いただきたいと思っています。その理由は、女性も男性も年齢が上がると妊娠しにくくなり、流産や赤ちゃんの異常が増えてしまうからです。

不妊症とは

不妊症の原因

  • 不妊は妊娠が成立する過程のどこかに原因がある場合と、検査をしても原因がわからない場合があります。
  • ①性交障害(男性:勃起障害、射精障害 女性:挿入障害、性交痛)
  • ②精子の問題(精子数が少ない、無精子症、精子の質が悪い)
  • ③頸管因子:頸管粘液の分泌不全(円錐切除後など)
  • ④卵管因子:卵管狭窄、卵管閉鎖、卵管水腫、卵管周囲の癒着、クラミジア卵管炎など
  • ⑤排卵障害:視床下部ー下垂体性(ストレス、ダイエットなど)、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、高プロラクチン血症、早発卵巣不全
  • ⑥受精障害:抗精子抗体など
  • ⑦卵子の質の低下:母体の高齢、子宮内膜症
  • ⑧受精卵の異常:染色体数の異常、多精子受精
  • ⑨着床不全:子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、子宮奇形、子宮内癒着症、慢性子宮内膜炎
不妊症の原因

不妊症の検査

  • 女性の検査
  • ①基礎体温
  •  可能であれば検査前に2か月くらい基礎体温をつけましょう。タイミングをとった日(避妊せずに性交した日)も必ず記録しましょう。
  • ②採血
  •  排卵に関するホルモン、糖尿病、貧血、甲状腺ホルモン、ビタミンD、クラミジア抗体、感染症(B型肝炎、C型肝炎、梅毒)、風疹抗体(未感染でワクチン接種歴不明の場合)、HIV(自費)、抗精子抗体(自費)、AMH(自費)
  • ③超音波検査
  •  子宮筋腫、子宮内膜症などがないか調べます。卵胞の大きさを確認して、排卵日の予測もします。内膜ポリープが疑われる場合は、子宮内に生理食塩水を入れて検査することもあります。
  • ④子宮卵管造影
  •  卵管の通過性を確認します。子宮内腔の異常がわかることもあります。
  • ⑤子宮鏡検査
  •  当院では細径硬性子宮鏡を用いて検査を行います。 子宮内膜ポリープ、粘膜下筋腫、子宮内の癒着(アッシャーマン症候群)、慢性子宮内膜炎などの診断を行います。不妊症の方には基本的に全例検査を受けることをお勧めしております。
  • ⑥尿中LH検査
  •  排卵日の予測に使用します。自宅で行ってもらうこともあります。
  • ⑦フーナーテスト
  •  性交後の頸管粘液内に運動精子がいるかどうかを調べる検査です。不妊検査としての有効性はないと言われていますが、性交障害があるカップルにとっては必須の検査と考えています。
  • 男性の検査
  • ①精液検査
  •  射精後2時間以内の精液で、精子の数や、運動率などを調べます。体調などで変動するため、複数回検査することもあります。
不妊症の検査

不妊症の治療

検査で不妊の原因が明らかになった場合、その治療を優先します。平行して、タイミング指導、人工授精を行っていく場合もあります。

  • ①タイミング指導
  •  月経周期、基礎体温、超音波検査などで排卵日を予測します。
  •  基礎体温は検査の時はしっかりつけていただきたいのですが、治療中はストレスになる方もいらっしゃるため必須ではありません。
  •  また、タイミング指導そのものが男性側にストレスになる場合は、月経終了後から基礎体温が上がるまでの約1週間から10日程度、2-3日に1回タイミングをとることをお勧めしています。
  • ②人工授精
  •  タイミングを続けてもなかなか妊娠しない場合、排卵の時期に合わせて、調整した精子を直接子宮の中に細いチューブで注入する治療です。性交障害などが改善せず、妊娠を急いでいる場合も行うことがあります。
  •  人工授精による妊娠成績は5-6回で頭打ちとなるため、人工授精でなかなか妊娠しない場合は、体外受精にステップアップします。
  • ③体外受精・胚移植(当院では実施していません)
  •  排卵直前の卵胞を超音波下で穿刺し、体外に取り出した卵子と精子を受精させて(体外受精)、受精卵(胚)を子宮内に戻す(胚移植)治療です。
  •  体外受精の治療成績も、母体の年齢の上昇に伴い低下します。
  •  当院では女性が38歳以上の場合、高度生殖医療機関への受診をお勧めします。(38歳以上でも、体外受精ではなく自然な形での妊娠を強く希望される方は、当院で治療を行います。)
  •  精子がかなり少ない、卵管閉塞などの場合も、最初から体外受精をお勧めします。
  • ④カウンセリング
  •  子供は欲しいけど、性交そのものがうまくいかない…
  •  不妊のカップルには性交障害の方も少なからずいらっしゃいます。
  •  性交障害の原因はさまざまで解決は容易ではないことも多いですが、カウンセリングで専門家に話すことで問題点が整理され、解決に繋がることもあります。
  •  カウンセリングは保険診療ではなく自由診療(15分2500円+税)となりますが、カウンセリングを希望される方は外来でご相談下さい。
  •  初回は、カップルお二人で1時間(10000円+税)のカウンセリングを受けることをお勧めします。2回目以降は、症状や状況に応じて時間を設定します。
不妊症の治療

不育症とは

不育症はお子さんを希望しながら2回以上の流産・死産を繰り返す状態を指します。発生頻度は5%前後と考えられています。

不育症の原因と治療

原因は様々で、しかも半分の方は原因不明です。
わかっている原因は
①子宮の形の異常、②抗リン脂質抗体陽性(血管に血栓ができて詰まりやすい体質)③染色体変異(均衡型相互転座、ロバートソン型転座)が代表的です。

  • ①子宮の形の異常
  •  子宮鏡検査や子宮卵管造影検査で子宮内腔の形の異常がはっきりすれば、手術が必要な場合があります。
  • ②抗リン脂質抗体陽性・血栓素因陽性
  •  女性が抗リン脂質抗体陽性や血栓素因があれば、血栓防止のため、低用量アスピリン剤の内服やヘパリン注射が必要になる場合があります。
  • ③染色体の変異
  •  ご夫婦のどちらかに染色体変異(均衡型相互転座、ロバートソン型転座、腕間逆位)がある場合は、ご本人は全く健康ですが、染色体異常受精卵ができる場合があり、その場合は着床前診断によって受精卵を選び出すことが必要な場合があります。
  • ④その他の検査(1)
  •  最近の検査では子宮内膜の慢性子宮内膜炎が原因の場合があり、子宮内膜のCD138陽性細胞を見つけるための免疫染色、原因菌の検査のための子宮内フローラ検査の検査をします。
  • ⑤その他の検査(2)
  •  生殖免疫検査としてTh1/Th2比、NK細胞活性があり、前者の異常の場合はビタミンDの大量療法や免疫抑制剤のタクロリムスの服用、後者の場合はイントラリポスの点滴をする場合があります。
  • ⑥ 新しい抗リン脂質抗体として、ネオセルフ抗体検査もします。
不育症の原因と治療

子宮頸部異形成・子宮頚癌

子宮頸部(子宮の入り口)の癌やその前駆病変で、HPV感染が主な原因です。
初期はあまり症状がなく、子宮がん検診で発見されることが多いため、早期発見には定期的な検診が重要です。
また、2022年4月から厚生労働省による積極的勧奨が再開されたHPVワクチンで、かなり予防できる癌でもあります。
当院では、子宮がん検診で異常が判明した場合は、精密検査(コルポスコピー)には対応できないため、高度医療機関へご紹介します。

子宮頸部異形成・子宮頚癌

子宮体癌

子宮の体部(奥)にできる癌です。不正出血などの症状で気づくことがあります。
エストロゲン暴露(妊娠・分娩歴がない、肥満、多嚢胞性卵巣症候群などの排卵障害など)や遺伝的素因などがあるとなりやすいです。
子宮体癌の検査である子宮内膜細胞診は、不正出血や褐色のおりものがある場合や、リスクが高いとされる方に行います。

子宮体癌

子宮内膜ポリープ

子宮内膜にできるポリープで、生理の量が多くなったり不正出血でみつかることがあります。また、不妊症の原因となることもあります。超音波検査で疑った場合は、子宮鏡検査などを実施して確認します。症状がなく大きくない子宮内膜ポリープは、手術などをせずに様子をみることが多いですが、出血がある、出血が多い、不妊症、18㎜以上などの場合は、子宮鏡で内膜ポリープを切除する手術をお勧めします。 ※子宮鏡検査・子宮鏡下手術は現在準備中です

子宮筋腫

子宮筋腫は婦人科で最も多い腫瘍です。
女性ホルモンによって大きくなり、閉経すると小さくなります。
筋腫の大きさや場所によっては、月経量が多くなり貧血となったり、月経痛、腰痛、頻尿などの症状の原因となることがあります。
症状がない場合は治療は必要ありません。症状がある場合は、手術(子宮筋腫核出術、子宮全摘術)や子宮動脈塞栓術、偽閉経療法などの治療を行います。

子宮腺筋症

子宮の筋層の中に、子宮内膜に類似した組織ができる病気です。
子宮内膜症のように月経痛の原因となったり、月経量が増加して貧血の原因になったりします。
月経がある間は症状が悪化しますが、閉経すると症状がなくなり、病変も小さくなります。
症状がある場合は、黄体ホルモン製剤の内服薬や黄体ホルモン放出子宮内システム(ミレーナ)、偽閉経療法などの治療を行いますが、改善が見られない場合などは手術を行うこともあります。

子宮内膜症とは

子宮内膜に似た組織が、子宮内膜以外の場所にできる病気です。女性ホルモンの影響を受け、月経周期に合わせて増殖し、月経時の出血が排出されずにたまるとチョコレートのような内容ののう胞を形成したり、周囲の組織と癒着をおこして痛みの原因となったりします。また不妊症の原因にもなります。

子宮内膜症の管理

予防
低用量ピルは排卵を抑制し、月経血量を減少させる作用があり、子宮から腹腔内へ逆流する月経血が減少することで、子宮内膜症の発症を予防する可能性があります。また、適切な運動や、お酒やカフェインの摂取を控えることも予防になります。

治療
対処療法:鎮痛剤(NSAIDs)など
ホルモン治療:低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬/低用量ピル、黄体ホルモン製剤、GnRH-a(偽閉経療法)
外科的治療:手術で病巣を切除する

管理
卵巣の子宮内膜症はまれですが癌化することがあり、定期的な経過観察を行うことが重要です。

性器クラミジア感染症

病原体はクラミジア・トラコマチスで、感染部位の粘膜との接触や分泌物との接触によりヒトからヒトに感染します。男性は尿道炎、女性は子宮頸管炎、骨盤内付属器炎、肝周囲炎などをおこしますが、自覚症状がないことも多いです。口腔性交で咽頭炎をおこすこともあります。クラミジア卵管炎は卵管の閉塞や癒着などをおこし、不妊の原因となります。
性器クラミジア感染症

性器ヘルペスウイルス感染症

単純 ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって、性器やその周辺に水疱や浅い潰瘍、痛み、かゆみなどの症状が出ます。相手が無症状でも、粘膜や分泌液・唾液の中にウイルスがいる場合があり、感染することがあります。一度感染すると神経の中に潜伏し、免疫力が低下した時に再発をします。
性器ヘルペスウイルス感染症

尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルス6、11型などが感染し、外陰部や肛門周辺にイボのようなものができます。当院では、ベセルナクリームの処方や、切除を行います。CO2レーザー蒸散や液体窒素治療が必要な方は、連携施設などへ紹介します。
尖圭コンジローマ

梅毒

梅毒トレポネーマという細菌が、行為で粘膜や皮膚の小さな傷から感染します。感染部位にしこりや潰瘍ができたり、その後全身に発疹がでたりします。抗生物質で治療します。梅毒は最近感染者が増加しています。
梅毒

淋菌感染症

淋菌が、感染した粘膜や分泌液の接触で感染します。男性は急性尿道炎、膿性の分泌物などの症状があることが多く、女性は子宮頸管炎、尿道炎をおこしますが、自覚症状がないことも多いです。上行感染するとクラミジアと同様に卵管性不妊の原因となります。淋菌感染症も近年増加傾向です。
淋菌感染症

腟トリコモナス症

腟トリコモナス原虫の感染でおきます。無症状のこともありますが、女性は、悪臭の黄緑色で泡立ったおりものや、陰部のしげき、かゆみ、排尿時の違和感、男性は尿道炎の症状がある場合もあります。メトロニダゾールで治療します。
腟トリコモナス症

HIV感染症/エイズ

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が血液、精液、膣分泌液、母乳を介して感染します。感染初期は発熱などの症状がありますが、その後無症候期が数年以上続き、CD4陽性免疫細胞が減って感染症にかかりなすくなりエイズ(後天性免疫不全症候群)を発症します。HIV感染予防薬(PrEP:日本では未承認)があり、当院ではPrEPの見守り検査を実施しています。
HIV感染症/エイズ

更年期とは

女性ホルモンを主に出している卵巣の活動が徐々に低下し、月経が来ない状態が1年間続いた時、閉経と判断します。閉経年齢は最後の月経時の年齢となります。閉経前5年間と閉経後5年間を合わせた10年間を「更年期」といいます。

更年期障害

更年期障害は、閉経前後の女性ホルモンの揺らぎと減少に伴っておこる様々な症状によって、日常生活に障害をきたす状態です。特徴的な症状はホットフラッシュ(のぼせ、発汗)ですが、めまい、動悸、頭痛、肩こり、腰痛、関節痛、冷え、しびれ、疲れ、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠などの症状も見られます。
更年期障害

更年期障害の治療

①ホルモン補充療法(HRT)
更年期障害の原因である女性ホルモンの低下に対して、少量のエストロゲン(女性ホルモン)を補う治療です。
内服薬、貼り薬、飲み薬があり、投与法も周期投与・連続投与があり、その人に合った治療法を相談して決定します。
HRTの治療期間が長くなると乳癌のリスクが多少上昇しますが、このリスクは併用する黄体ホルモンの種類によって異なることが報告されています。2021年12月から天然型の黄体ホルモン(エフメノ)が日本でも処方できるようになり、この天然型黄体ホルモンやデュファストンは乳癌のリスク上昇が少ないと報告されています。
HRTは骨密度の維持や、心血管系の疾患を予防する効果もあります。
乳癌や血栓症の既往がある方はHRTができません。

②漢方薬
様々な症状に対して効果があります。
当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸を中心に、その人の体質や症状に合わせて処方を検討します。
乳癌などでHRTができない方にもおすすめです。

③向精神薬
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)は、気分の落ち込みや情緒不安定、不眠などの精神症状以外にも、ほてり・発汗などの症状にも有効であることが知られています。ただし、これらの薬剤の副作用に性機能障害があり、閉経後の性交痛がある方にはお勧めできません。
不眠がつらい方には、睡眠導入剤などを処方することもあります、作用時間が短い睡眠導入剤は依存や耐性を起こしやすいため、使用期間が長くなる場合は、耐性をおこしにくい薬へ変更することをお勧めしています。

④メルスモン
メルスモンは国内のヒト胎盤を原料とし、多種アミノ酸を含有した注射薬です。更年期障害、乳汁分泌不全に保険適応が認められています。
添付文書の用法・用量には「通常、1日1回2mLを毎日または隔日に皮下注射する。」とありますが、保険で認められているのは隔日までです。
特定生物由来製品のため、献血や臓器提供はできなくなります。

⑤エクオール、大豆イソフラボン
大豆イソフラボンやエクオールは、食品やサプリメントですが、弱い女性ホルモン様作用があり、更年期障害の症状に一定の効果があります。
大豆食品は乳癌の術後の方の再発を抑制したという報告もあり、乳癌の方にもお勧めです。
エクオールを多量に摂取するすることの安全性は示されていないので、1日の摂取量は守ってください。
更年期障害の治療

男性

①性欲障害:性欲低下は薬や手術、放射線治療、うつなどの精神状態や、関係性の問題に関連して起きることがあります。原因に対するアプローチやカウンセリングを行います。

②勃起障害:勃起障害も様々な原因があります。薬(バイアグラ・シアリスなど)や陰圧式勃起補助具で治療することもあります。

③射精障害:遅漏・腟内射精障害は、不適切な刺激によるものと心因性に分けられます。ブリッジ・テクニックや、コンドーム・マス法、トレーニングカップ(TENGA社)などで改善することがあります。早漏は、セマンズ法やスクイーズ・テクニック、トレーニングカップ(TENGA社)などで対応します。

女性

①性欲障害:女性の性欲低下も薬や手術、放射線治療、うつなどの精神状態や、関係性の問題に関連して起きることがあります。原因に対するアプローチやカウンセリングを行います。アメリカではFDAが認可した治療薬がありますが日本にはありません。テストステロン含有の市販のクリーム(グローミン)で改善することもあります。

②挿入障害・性交痛:挿入障害も様々な原因があります。潤いの減少、腟が狭い、痛みを感じやすい場所がある、心理的な抵抗感などです。閉経や婦人科疾患に対するホルモン治療で悪化することもしばしばみられます。原因を絞り込み、適切な対応をとることで改善することもあります。妊娠希望で挿入障害が長引く場合は、シリンジ法(精液を採取して腟内に入れる)や人工授精などで妊娠を目指します。

③オルガズム障害:心理的な要因や薬剤に関連して起きることがあります。カウンセリングで解決策を検討します。

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は、骨の強度が低下し、骨折しやすくなっている状態です。
女性の場合は、閉経による女性ホルモンの低下に伴い骨量も低下するため、男性よりも骨粗鬆症になりやすいです。
他に骨量を低下させる原因がなく、脆弱骨折がない場合、骨密度がYAM(若年成人平均値)の70%以下である場合、原発性骨粗鬆症と診断します。
骨密度は、原則として、腰椎か大腿骨近位部骨密度で評価します。
当院では、dual-energy X-ray absorptiometry(DXA)を用いて、腰椎と大腿骨近位部の両者を測定します。
骨粗鬆症による高齢者の骨折は、生活の質を大きく損なうため、骨粗鬆症の予防や治療が大切です。
性器クラミジア感染症

骨粗鬆症の予防

骨量は思春期に増加し、およそ20歳で最大となり、40歳代前半までは維持され、閉経前から低下を始めます。
骨粗鬆症の予防は、
①18歳以前の栄養と運動(最大骨量を高める)
②中高年の体重管理、栄養、運動、禁煙と節酒
が重要です。
女性の骨密度維持には、女性ホルモンが重要な役割を果たしており、子宮内膜症や子宮筋腫で低エストロゲン状態にする治療を長期に行う場合は、骨密度検査を適宜受けることをお勧めします。

骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症の治療薬は、その方の状況や他の症状も考慮して選択します。
女性ホルモン薬:更年期の女性は、他の更年期症状にも効果がありお勧めです。
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM):骨や脂質代謝に対しては女性ホルモン作用があり、乳房や子宮内膜には女性ホルモン様の作用を示さない特徴があります。
活性型ビタミンD3薬:小腸からのカルシウム吸収を促進、副甲状腺ホルモンを抑制、骨代謝を改善する作用もあります。
ビタミンK2薬:ビタミンKが不足すると骨折しやすくなります。ビタミンK2は納豆などに含まれています。
カルシトニン薬:破骨細胞の機能を抑制します。鎮痛作用もあるため、骨粗鬆症に伴う骨折の直後などに使われます。
副甲状腺ホルモン薬:骨密度低下の強い場合や、すでに骨折を生じている重篤な骨粗鬆症に使われます。
ビスフォスフォネート薬:破骨細胞の骨吸収を抑制します。経口、点滴など様々な種類があります。抜歯をする場合は顎骨壊死のリスクを下げるために休薬が望ましいです。
デノスマブ:破骨細胞の分化を抑制し、骨吸収を抑制します。投与後の低カルシウム血症を予防するために、カルシウムとビタミンDの補充と血清カルシウムのモニタリングが必要です。

妊婦健診

当院では分娩を取り扱っておらず、休日や夜間対応もできないため、妊娠初期(妊娠10週頃)からの妊婦検診は、原則的に分娩予定施設での検診をお勧めしております。妊娠判定陽性(妊娠4~5週)から分娩予定日決定(9週前後)までの妊娠検査は実施しています。

札幌市の子宮がん検診

札幌市在住で、職場などでのがん検診の機会がない、20歳から偶数年の方が対象です。
令和4年度は20歳の方に無料クーポン券が発送されています。
問診・視診・内診・子宮頸部細胞診 1,400円
問診・視診・内診・子宮頚部細胞診・子宮体部細胞診 2,100円